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ブライトタウン磐田フレシア 新築工事


第37回静岡県建設業協会建設もの創り大賞 優秀賞

ブライトタウン磐田フレシア
ブライトタウン磐田フレシアは、遠州鉄道株式会社と建設地の地主でもある日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)により、JR磐田駅前に計画された高層分譲マンションです。当社は計画時より参画しており、設計・施工・施工管理を一貫して担当しました。この建物の一番の特徴は、ここ静岡県で想定される南海トラフ巨大地震に対しても安全・安心を確保できる免震構造を採用していることで、日本建築センターの免震構造評価と大臣認定を取得しています。
また、JR磐田駅前の新しいランドマークとして街の品格を保つ存在となるよう、デザインにも留意。空へと伸びるツートーンの色調とスタイリッシュなガラス手摺の組み合わせによって、駅前の街並みと調和する軽やかで都会的な佇まいを与えました。
施工に当たっては、JR線路沿線であることからJR近接工事としての制約を受けることになりました。また建物の規模に対して敷地の余裕がなかったことから、タワークレーンを2基設置。工事着手前の近隣説明会や交通量調査、関係省官庁との打合せを入念に行い、工事期間中の地震発生への備えを含む入念な安全対策を施しました。
本工事は、これらの特殊な環境下での免震工事という高度な技術・技能が評価され、第37回静岡県建設業協会建設もの創り大賞 優秀賞を受賞いたしました。

工事概要

ブライトタウン磐田フレシア新築工事

設計 石川建設(株)一級建築士事務所
所在地 磐田市二之宮1542番22他
発注者 遠州鉄道株式会社、日本貨物鉄道株式会社
構造 RC造 地上14階(免震構造)
面積 建築面積984㎡、延床面積8,007㎡
工期 2018年3月1日~2020年2月20日

仮設計画

建設地は、駅前であるとともに周辺に銀行、学校、スーパーマーケット、医療施設等が点在する地域のセンターポジションに位置し、分譲マンションとしては最適な場所です。しかし工事車両の搬出入口が北側のみという制限があり、また免震構造ゆえに施工中に発生した地震に対して外部足場やタワークレーンを追従させる必要があるなど、特殊な条件に対応する仮設計画が求められました。
免震構造のため、足場脚元に滑動対策を施す。
免震構造のため、足場脚元に滑動対策を施す。
安全対策として、近隣の建物と近接した建物の南半分に養生枠を使用。資材落下防止のアサガオも適宜設置した。
安全対策として、近隣の建物と近接した建物の南半分に養生枠を使用。資材落下防止のアサガオも適宜設置。
線路の近接作業等に当たっては、列車管理者と列車見張員を配置。また資材の飛散を防ぐ金属製の養生枠も使用した。
線路の近接作業等に当たっては、列車管理者と列車見張員を配置。資材の飛散を防ぐ金属製の養生枠も使用した。

完成まで

免震アンカー設置に伴い、非常に多くの配筋量を求められた基礎(マットスラブ)。
免震アンカー設置に伴い、非常に多くの配筋量を求められた基礎(マットスラブ)。
高減衰積層ゴムと天然ゴム系積層ゴムをハイブリッド構造にした免震装置。さらにオイルダンパーも加わる。
高減衰積層ゴムと天然ゴム系積層ゴムをハイブリッド構造にした免震装置。さらにオイルダンパーも加わる。
モックアップを用いて免震グラウト圧入試験を実施。圧入後の免震BPLの測定により、最適な注入方法を実施。
モックアップを用いて免震グラウト圧入試験を実施。圧入後の免震BPLの測定により、最適な注入方法を実施。
敷地を有効活用するため、梁鉄筋先組工法を採用。地上で組み立て、クレーンで各階に吊り降ろした。
敷地を有効活用するため、梁鉄筋先組工法を採用。地上で組み立て、クレーンで各階に吊り降ろした。
鉄筋梁の継手は、継手スリーブを用いて溶接を行うN-NT工法を採用。高い施工性で、工期短縮に貢献。
鉄筋梁の継手は、継手スリーブを用いて溶接を行うN-NT工法を採用。高い施工性で、工期短縮に貢献。
コスト・労務・工程のバランスを考慮して、型枠工事にはスラブ支柱の残存サポート工法を採用。
コスト・労務・工程のバランスを考慮して、型枠工事にはスラブ支柱の残存サポート工法を採用。

完成後

「ブライトタウン磐田フレシア」の施工に当たっては、工事期間中のJR保線区との協議、線路への飛散対策、タワークレーン2基の管理、近隣への工事進捗の事前報告や調整、免震装置の設置前・設置後の管理等と、どれをとっても最優先事項で大変な難工事となりました。しかし、弊社も施工に当たっては新たに3名の工事担当者がJSSI(日本免震構造協会)の免許を取得し、施主・設計者との緊密な連携の下に万全の体制で臨むことで、無事故で高品質な建物を実現できたと自負しています。
また、本工事に当たっては 地域貢献・技術交流の意味も含め、地域の官学民の建築関係者を対象とした免震工事現場見学会の開催や、静岡県初の建築学科となる静岡理工科大学の学生に対するインターンシップを積極的に行いました。免震構造の技術普及に少しでも貢献できたのであれば幸いです。
石川建設は本工事で培った高層免震建物の経験をさらに発展させ、地震に強い安心安全な街づくりに貢献していきます。
高層マンション棟と周囲の構造物との取り合いには、免震建物の変形に対応させるため、免震パネル、免震ジャバラ、ジャンプアップする免震床等を設置。
高層マンション棟と周囲の構造物との取り合いには、免震建物の変形に対応させるため、免震パネル、免震ジャバラ、ジャンプアップする免震床等を設置。
磐田市職員・民間確認機関・日本構造技術者協会・袋井建設業協会建築部会・静岡理工科大学(教授・学生)等、地域の建設関係者との交流も。
磐田市職員・民間確認機関・日本構造技術者協会・袋井建設業協会建築部会・静岡理工科大学(教授・学生)等、地域の建設関係者との交流も。